この仕事は社会にとっても価値あることでやりがいのある仕事だからといって、人を低賃金で働かせる行為を「やりがい搾取」といいます。
今回はやりがい搾取の実態と対策方法を解説していきます。
今回の記事が参考になる人
- やりがい搾取がどういったものか知りたい人
- やりがい搾取されているか不安な人
- やりがい搾取の対策を知りたい人
やりがい搾取とは?
「激務薄給」労働量と収入のバランスがとれていない状態
やりがい搾取とは、労働量が多いのにも関わらず、見合った給与を受け取れていない状況をさします。
仕事量>収入となっている状態です。
ある経営者の方から「クリエイター業界はやりがい搾取の会社が多い」とお話してて、、、本当にそう思います。
気をつけないとですね。そういう業界だから〜。
はじめは〜。みたいな言葉は嘘です。
単純に経営者の実力のなさで、単純に会社儲かってないだけです。
— 上月 勇人 / 現代のデザイナーの在り方を模索中。 (@kozukihayato) August 27, 2020
教育社社会学者の「本田由紀氏」が著書の中で使用し始め、一般的にも認知されるようになりました。
若い才能のある若者たちを安い給与で雇い、人件費を削減を図る企業でやりがい搾取が横行しています。
やりがい搾取チェックリスト
あなたはやりがい搾取をうけていないかチェックしてみましょう。
一つでも当てはまるようでしたら、注意が必要です。
チェックリスト
- みなし残業となっており、残業代が込みの給与体系
- 有給が取りにくいまたは、全く取れない
- 休むことは悪だといった風潮がある。
- 辞めていく人は悪だといった風潮がある。
- 残業をしない人に対しての扱いが悪い
- 夜遅くまで残っている残業が当たり前。
- 給与が安くても成長のためだと思っている。
- 給与が安くても自分の好きなことが出来てるから我慢しよう
- 肩書を捨てたくなく、過度な残業や仕事をこなしても構わないと思っている。
- キラキラした会社で働いていることに満足し、給与が安くてもいいと思っている。
- 会社が社保に加入していない。
- トップダウンの色が強く、下の意見は聞き入れてもらえない。
1つでも当てはまっている場合は、やりがい搾取をうけている可能性が高いです。
なぜやりがい搾取が発生するのか?
会社側での人件費問題
会社側では、人材を安く活用したいと思っている企業の方が多いです。
優秀な人材を安い給与で雇えたら、人件費を押さえて売上を上げることが出来るので、会社としては満足度が高いです。
しかし、この状況に働く側が満足するはずがありません。
社員は、やりがいがあるからその会社に残るのではない、他に行く場所がないから残るのだ。おそらく「優秀な人材を引き留められるほどの好待遇を用意する」のが正解で、「人件費を抑えるために『やりがい搾取』する」のは事業の収益性や継続性を著しく損なう。できない人だらけで低空飛行することになる
— Rootport◆月~金19:30YouTube配信してるよ (@rootport) March 10, 2015
成果をあげている人材にたいしては適切な給与を支払うことが重要です。
人件費を抑えた雇用を前提としている企業では、やりがい搾取を行っている可能性が高いので注意が必要です。
キラキラした会社へのあこがれ
ネームバリューなどに惹かれたり、東京の○○でお洒落なランチといったキラキラした会社員生活への憧れを抱いて、入社したものの給与が実業務と乖離しすぎて生活するのがやっとといったケースもあります。
ブラック企業にプチ洗脳された人の見分け方
①キラキラやりがい搾取で低賃金で長時間働いても構わないと思いこんでる。
②外に目を向けず自分の居場所はここしかないと思いこんでる。
③問題提供しても他の業界でも起きていることと論点をすり替えられ、他よりましだと思い込んでる。#ブラック企業— 3yekcim (@nakatakan) February 11, 2020
このキラキラだけに満足していると、給与が上がらずいつのまにか転職出来ない年齢になってしまうケースもあります。
夢を理由とした過酷な労働環境
やりがいや夢をを理由として、低賃金での長時間労働を厭わないといったケースです。
それが本当に正しい選択なのか考え直す必要があります。
君はNYの旗艦店で店長をやりたいんだろう!だったら今は死ぬ気で働け、みたいな夢をエサにしたり、「好きなことやらせてんだから給料安くて当然じゃん、やりがいあるじゃん」みたいなのがやりがい搾取の典型なんだが、「あたらしい働き方」の会社は、未来じゃなくて今すぐ与えられるのがポイント。
— 渡邉正裕 (@masa_mynews) June 12, 2013
夢ややりがいは自分のモチベーションに大きく寄与してくれますが、それが本当に正しい方向性なのかを見つめなおしましょう。
無駄な時間を過ごして、夢を追う気力がなくなってしまっては元も子ありません。
役職やステータスへのこだわり
自分の役職やステータスに対して誇りやこだわりをもつことで、必要以上の業務量を任されても断れず、給与以上の業務量をこなしてまうケースです。
これは責任感が強い人が陥りやすいです。
肩書や役職がつくだけで、大きなプレッシャーが掛かってしまい、必要以上の業務量をこなしてしまうのです。
役職があがっても給与が変わらないといったケースもあるので、こういった企業はやりがい搾取前提で、人を働かせているので今すぐ転職を検討することをオススメします。
また、役職がついたことで、その役職を捨てることが出来ず、給与が低くても辞めれないといった人も居ます。
自分が今まで頑張って勝ち取った役職なので、いくら給与が安くて業務量が多くても我慢して働いてしまうといったケースです。
これは、そのうち身体を壊すといったケースも考えられ、そうなってしまっては転職を行うことも難しくなってしまいます。
こうった役職を重要視するより、いまの自分の役職と給与、業務量のバランスがどうなってるかといった点に目を向けることが大切です。
やりがい搾取をされやすい人の特徴
真面目な人や責任感が強いとよく言われる人
真面目な人や責任感が強い人はやりがい搾取をされやすいです。
真面目なので自分へ割り振られた仕事はなんとかこなそうとするからです。
真面目な人ほど「やりがい搾取」にあう。「やりがい」というのは誰かに諭されることによって生まれるものではなく、じぶんが楽しくてやってるものが価値を生むから「やりがい」があるのであって、苦痛を感じながらも「誰かのため」という正義感を盾に無理矢理やらされる行為はただの搾取でしかない。
— ケッキング山田 (@maamarma00264) July 31, 2020
真面目に仕事をこなすことや責任感が強いことは素晴らしいことです。
ただし、その素晴らしい能力は他の仕事で活かすべきです。
新卒や転職者など社歴が浅い人
新卒や転職者など社歴が浅い人はモチベーションも高く、その会社に貢献しようと努力します。
これ自体はとても素晴らしいことです。
ただし、その熱量を向ける環境が本当にその職場でいいのかと言った点を考える必要があります。
ベンチャーで幹部やっていた人(京大理系院卒→メガ→ベンチャー→商社)が、弊社に転職。「ベンチャーなんて零細企業。創業者のビジョンのために、低給与でやりがい搾取で回ってる組織。学生は新卒プラチナカードを有効活用してほしい。BtoGの大規模な案件できる商社は最高!」ってコメントしてました https://t.co/iRm5ObV1wg
— トゥーレ@アフリカ新規案件屋さん (@luigi_jpn) September 16, 2019
自分の居場所がここしかないと思っている人
仕事をしていく中で、自分が仕事をする居場所が現職にしかないと思ってしまっているケースです。
こう思ってしまう理由は以下になります。
- 転職が悪だと思っている。
- 転職するのが怖いと思っている。
- 自分に自信が持てないでいる。
今の日本社会では、未だに転職に悪いイメージを持っている人が多いです。
「皆がこれだけ頑張っているのに転職するなんて裏切り行為だ」
転職は全く悪いことではありません。
自分の人生なので、他人の目を気にして悪いことだと思う必要なんてないです。
ブラック企業にプチ洗脳された人の見分け方
①キラキラやりがい搾取で低賃金で長時間働いても構わないと思いこんでる。
②外に目を向けず自分の居場所はここしかないと思いこんでる。
③問題提供しても他の業界でも起きていることと論点をすり替えられ、他よりましだと思い込んでる。#ブラック企業— 3yekcim (@nakatakan) February 11, 2020
自分に自信を持てなくて、転職するのが怖いと思うのも理解できます。
転職が怖くないといった人は、むしろ少なく皆少なからず不安を抱えつつ転職を行っています。
自分に自信が持てずに、転職をするのが怖いと思っている人は以下の記事を参考にしてください。
やりがい搾取がおきやすい業界
介護・看護業界
看護や医療業界もやりがい搾取が横行している業界です。
人の為になるとても素敵な職業ですが、労働量に見合った給与を貰えていないのが社会的な問題にもなっています。
今は看護も介護も総じてやりがい搾取なんですけど、一部の医療者の中に「患者様のために!利用者さん最優先!お金よりやりがい!」っていうわかってねー綺麗事主義者がガチでいて、何も知らない人が見たらこれが正解のように見えるけど、かえってこの人らが業界の足を引っ張ってるんです…(◜௰◝)
— やばいオミ (@Omi_Ngo) July 8, 2020
美容業界
美容業界もやりがい搾取が発生しやすい業界です。
美容師は低賃金で雇われるケースが多く、実際の業務量と給与の割りが合わないといったケースが多発しています。
アップリンク、改善されるといいね。映画・音楽・アニメなどエンタメ業界は特殊過ぎて、パワハラ・セクハラ・やりがい搾取(低賃金・無給)が常態化している。好きな気持ち、ファン心理を巧みに利用する。夢のある世界ほど内情は醜悪。ディズニーランドしかり。
— しょこちん☆ (@shoko56) June 17, 2020
教育業界
教育業界では、生徒のためならどれだけ犠牲を払っても構わないといったやりがい搾取が多く発生しています。
教育業界って「やりがい搾取」が横行してるのね。
生徒のためなら何でもしなさいって言う経営者が多いの。
だから、他所の子(生徒)のために自分や自分の家族を犠牲にできる人しか生き残れないの。— ゆとり@オンライン英会話講師 (@luckyengteacher) November 4, 2019
アパレル業界
アパレル業界では低賃金で長時間労働になるケースが多く、さらに自社の製品を購入しなくてはいけないケースなども発生しています。
アパレル業界だけじゃないだろうけど当時「やりがい搾取」が蔓延ってて、自分の夢を叶えるためなら逆境(ただの不条理)に立ち向かってこそって風潮があった。わたしは知識ある大人や友人達の助けで立ち向かえたけど、意欲的で知識の乏しい若者を安く買い叩き思い通りにしようって大人、今もいるんだな。
— きんぱつんぽ (@7chococo) April 23, 2019
芸能業界
芸能業界は特殊な業界であり、ハラスメントなどが発生しても、表立って騒がれることが少ないです。
キラキラした業界あこがれて入社したが、過酷な労働環境に加えて、給与がやすいといったダブルパンチをくらう可能性が高いです。
芸能活動ってBtoCのイメージあるけど、実際はというか金銭のやり取りをしてるのはBtoBの面が大きいからそこを勘違いしなければ収入は増えていくなとは思います。
なので人気・知名度はあっても収入はいまいち…という事は結構ありうる。(やりがい搾取というか、知名度を盾にして結構ハネられたり。)
— ま~坊【フリーランス声優・ナレーター】@ 腹筋割れてきた (@mahbow1980) August 29, 2020
クリエイティブ業界
イラストレーターやデザイナーなどの仕事はやりがい搾取が発生しやすい業界です。
クリエイティブが関わる世界って、やりがい搾取が生じやすいから気をつけましょう。法令に基づかない働きってオカシイですよね。
仲間同士でフェアーにやるプロジェクトならまだしも、明確な上下関係があるなら、自由な選択の余地がない事も多い。
冷静に「所詮仕事」と考えてみて、それでもやりたい?— トミナガハルキ/デザイン事務所AMIX (@asobodesign) December 25, 2019
飲食業界
飲食業界も激務薄給で有名です。朝早くから開店準備を行い、閉店して締め作業をして帰る頃には深夜といったケースが往々にしてあります。
昔から料理を作るのが好きで自分の店を持ちたいなと飲食業界にいたけど、あそこは…やりがい搾取だったなぁ…
吉祥寺で月給10万だったからなぁ…😢
今も夢は消えてないけど…
やっても子供が手がかからなくなってからだね。 https://t.co/I0kxFgbMKp— 晴れのひ (@RPo8mXellGEKoFN) July 30, 2020
アニメ・漫画業界
アニメ・漫画業界は夢を追い求める若者が、各制作会社などへ入社しますが、締め切りに追われ深夜までの残業や労働量に見合った給与が貰えない業界で有名です。
思うんだが、内容も大事なんだけど、今後、かなりの頻度で中国産アニメが入ってくると思う。
如何に日本のアニメーターをやりがい搾取しているかについてじっくり考えるべきなんだと思う。
このままではアニメの主流は50年後には中国になるだろう。 https://t.co/xr8jRJbZJn— (`・ω・´)@mhw ib (@RYODRA) August 27, 2020
テーマパーク業界
テーマパーク業界もやりがい搾取が横行しており、近年訴訟にまで発展しているケースもあります。
某千葉のテーマパーク問題。昔から「やりがい搾取」急先鋒な企業体ぽいよなって思っていたので、パワハラに関しても今更驚きはないんだよな。うん、だよねって確信と、やっと表に出せる時代気風になったんだなって。
— meo (@meo862) November 14, 2018
公務員
やりがい搾取される公務員と、これからの時代に必要な公務員の人材に投資する必要性について図解で比較、デザインしてみました。目先の予算削減に目が眩み、人員や人件費を削った結果、業務が増え疲弊してしまう自治体職員は少なくありません。それでも住民や地域のために頑張ってる人が大多数います。 pic.twitter.com/YnSA86dQ2F
— 佐久間智之@公務員の広報PRデザイン&仕事術・ライフハック (@sakuma_tomoyuki) August 24, 2020
やりがい搾取への対策
やりがい搾取への対策
- 自分の労働力を安売りしない
- 自分のスキルアップを図る
- 転職をおこなう
自分を安売りしない
自分の労働時間・業務量と給与のバランスがあっていない場合は、体を壊してしまう可能性が高いです。
自分を安売りして、大量の業務をこなすことは自分の体を壊すことに繋がってしまいます。
会社に対して、現状を訴え、改善してもらう必要や自身の働き方を見直す必要があります。
スキルアップを図る
やりがい搾取をおこなってくる企業に未来はありません。
この会社に長く務めることを考えてのスキルアップを図るのではなく、自分の人生を考えたときのキャリア設計でどういったスキルが必要かを考え、現職に努めつつ自己研鑽を行いましょう。
そうすることで、いつでも転職出来るスキルが身に付き、自分にも自信を持つことが出来ます。
転職をおこなう
すでに限界を迎えている、または迎えそうな人は直ぐに転職を行いましょう。
貴方の貴重な時間が、現職のやりがい搾取に奪われていることは非常に勿体ないことです。
転職するのが怖い、めんどくさいといった理由で後回しにしていると、後に働きすぎで倒れたり、メンタル的に不調に陥ってしまったら転職するのが難しくなってしまいます。
そうなる前に転職は思い立ったらすぐに行動すべきです。
転職する際は、リクルートエージェントなどの転職エージェントを利用すると成功確率が高いです。
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まとめ
今回はやりがい搾取について解説しました。
やりがい搾取は今の日本社会の課題の一つです。
自分が被害者にならない為にも、自分がいまどういった行動をとるべきか考えて行動にうつしていきましょう。